最新情報
- 2012年1月21日労働審判
- どの裁判手続を利用して未払い残業代請求をしたらよいのか?
- 2012年1月20日残業代等請求に付随する裁判手続
- 証拠保全手続はどのように進むのか?
- 2012年1月19日労働審判
- 労働審判の対象となる事件とは?
- 2012年1月17日休日手当請求の証拠
- 証拠保全手続とは?
- 2012年1月16日休日手当請求の証拠
- 証拠を持っていない場合の対処法とは?
どの裁判手続を利用して未払い残業代請求をしたらよいのか?
未払い残業代等請求のための裁判手続
裁判手続を利用して未払い残業代等請求をしようという場合に利用できる手続としては,労働調停・労働審判・労働訴訟の3つの手続があります。
それでは,一体どの手続を利用すればよいのかということが問題となってきます。これについては,どれがよいのかということは一概にはいえません。ご事情によって異なってくるでしょう。
労働調停を利用した方がよい場合
労働調停は,裁判所が間に立って行われる話し合いです。
裁判手続とはいっても,あくまで当事者間での話し合いですので,話がつかなければ調停は不成立に終わります。そういう点からすると,他の手続に比べて,強制力という面で劣るところがあります。
もちろん話し合いですので,柔軟な解決が可能となるという面はありますが,それは後述する労働審判でも同様です。その上,労働審判ですと,話し合いを行いつつも,最終的には裁判所が何らかの決定を行ってくれるので,調停のように話がつかなければ終了ということがありません。
そうすると,労働審判が設けられている現在では,少なくとも未払い残業代等請求のために調停を利用するメリットはあまりないといえるでしょう。
ただし,すでに調停でも調停調書という強制力のある書面を裁判所で作成してもらえますし,また他の手続に比べれば費用が安く済むので,ほとんど使用者側と話がついており,あとは強制力のある書面を作成してもらいたいだけであるというような場合であれば,利用するメリットがあるでしょう。
労働審判を利用した方がよい場合
前記のとおり,労働審判は調停のように話し合いを進めつつも,仮に話し合いがつかなかった場合には,当事者の主張や立証に基づいて裁判所が労働審判という決定をしてくれるという手続です。
したがって,調停のような柔軟さがありながら,訴訟のように終局的な判断もしてもらえるという点で,未払い残業代等請求をする場合にも利用するメリットがあるといえるでしょう。
また,労働審判は,原則として3回の期日で終了しなければならないことになっているので,解決も早いですし,費用も訴訟に比べれば安く済ますことができます。
もっとも,上記のとおり,労働審判は3回までしかないので,あまり複雑な事実認定が必要となる事件にはそもそも向いていません。したがって,タイムカード等の証拠がなく,労働時間の立証に時間がかかることが想定されるような場合には向いていません。
もちろん,そのような場合でも労働審判を申し立てることはできるのですが,裁判所によって訴訟に移行させられる場合がありますし,仮に労働審判事件として受理されたとしても,証拠がない部分については大幅な妥協が求められるということも少なくありません。したがって,やはり事実認定の複雑な事件の場合には,メリットが小さくなってくることは確かです。
また,最終的に労働審判として判断がなされたとしても,労働審判に対しては異議を出すことができます。異議が出されると,訴訟に移行することになります。この異議が出される場合が意外と多いため,場合によっては,はじめから訴訟にしておいた方が早かったということも少なくありません。
その意味では,証拠がある程度そろっており事実認定が複雑でなく,また,ある程度事前の交渉段階で,話し合いがまとまる可能性があると判断できる場合に,労働審判を利用することになるかと思います。基本給与だけの請求などの場合には,むしろ労働審判の方が迅速でよいかもしれません。
労働訴訟を利用した方がよい場合
労働訴訟を利用した方がよい場合というよりも,未払い残業代等請求の場合には,基本的に労働訴訟を検討することになるかと思います。
もちろん,労働訴訟の場合には,上記の調停や労働審判に比べて,時間も手間も費用もかかります。時間的な面でいうと,1年程度かかることは珍しくありません。
したがって,それなりに妥協をしてもよいから,とにかく迅速に解決したいというような場合には,むしろ労働審判を選択した方がよいでしょう。
訴訟においても話し合いは行われます。訴訟中に話し合いがまとまれば,和解によって柔軟な解決がなされることもあります。したがって,その点におけるデメリットはあまりないといってよいでしょう。
特に,複雑な事実認定がある場合や大きな法律上の争点が予測される場合には,労働審判がなされても異議が出される可能性が高いので,はじめから訴訟を選択する方がよいということは少なくないでしょう。
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証拠保全手続はどのように進むのか?
証拠が手元にない場合に,訴訟等をする前にあらかじめ証拠を確保しておくための裁判手続として,「証拠保全」手続があります。証拠保全手続の流れは,概ね以下のように進んでいきます。
証拠保全の申立書を作成する
証拠保全の手続を行うためには,まず裁判所に対して証拠保全の申立てをしなければなりません。この証拠保全の申立ては,証拠保全申立書という書面を提出することによって行います。申立書には,何を保全したいのか,どうして保全が必要なのかを,事実経過も含めて具体的に記載しなければなりません。そして,それらの事実等を疎明するための資料を添付します。
証拠保全を申し立てる
証拠保全の申立書を作成したならば,これを裁判所に提出し,証拠保全を申し立てます。申立書には,資料も一緒に添付します。また,手数料(収入印紙で納付)や郵券(郵便切手)も必要となります。収入印紙は請求金額によって,郵券は申立てをする裁判所によって金額が異なります。あらかじめ申立てをする裁判所に確認をとっておく必要があるでしょう。
弁護士を代理人として申立てをする場合には,裁判官と代理人による事前の打ち合わせが行われるのが通常です。この打ち合わせで,証拠保全の申立てを認めるのか,認めるとしていつ行うのか,その段取りなどが話し合われることになります。
執行官による送達が行われる
事前の打ち合わせで決められた証拠保全の実施日に,まず実際の証拠保全手続に先だって,裁判所の執行官が相手方に対し,証拠保全の手続を行う旨の文書の送達をします。この送達は,実際の保全の30分前とか1時間前など,まさに保全を行う直前に行われるのが通常です。
証拠保全を実施する
証拠保全手続においては,裁判官および裁判所書記官が証拠があると考えられている場所に赴いて,直接相手方に対し,証拠を開示するようにを求めることになります。この場合,開示を求める本人または代理人が立ち会うのが一般的です。カメラを持参したり,カメラマンを同行させたりする場合もあります。
証拠を確保する
裁判官の求めに応じて相手方が証拠を開示した場合,内容を確認し,それをカメラで撮影するなどして証拠化することになります。
書面の場合には,相手方に頼んでコピー機を貸してもらい,コピーをする場合もあります。この場合,通常はコピー料金を支払うことになるでしょう。なお,相手方の協力が得られない可能性が高い場合には,簡易なコピー機を持参する場合もあります。
証拠の提示命令
裁判官からの開示の要求によっても,相手方が正当理由なく証拠開示の求めに応じないという場合もあり得ます。その場合には,裁判官からその場で証拠の提示命令を出してもらうことになります。
未払い賃金・残業代ネット相談室 → 証拠保全手続の流れ
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労働審判の対象となる事件とは?
労働審判の対象
労働審判は,労働事件のすべてを取り扱えるというわけではありません。労働審判の対象となるのは,「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(個別労働関係民事紛争)」です(労働審判法第1条)。
上記のとおり,労働審判は,個々の労働者と事業者との間の紛争を対象としています。したがって,労働者相互間の紛争を労働審判で取り扱うことはできませんし,労働組合と事業者との間の労使紛争も対象外となります。
また,対象となる紛争は,「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項」についての紛争ですので,労働契約等の労働関係に関係しない紛争は労働審判の対象となりません。
もっとも,労使紛争の大半は,この労働関係に関する事項についての紛争ですから,実際には,労使紛争のかなり広範囲の事件を取り扱うことができるということになります。
未払いの賃金や残業代請求の紛争も,この個別労働関係民事紛争に当たりますから,労働審判の対象となります。
労働審判になじむ紛争
上記のとおり,労働審判は,かなり広範囲の労働紛争を対象としています。
しかし,労働審判には,3回という短い期間で判断をしなければならないという特徴・制限があります。そのため,労働審判については,その短い期間で判断が下し得る紛争がなじむものと考えられています。
したがって,事実に争いがあり,事実認定に時間を要することが予測される事案は労働審判になじまないと考えられています。
未払い賃金・残業代請求の場合ですと,労働時間やその内容に争いがあり,タイムカードなどの証拠が無い場合などは事実認定も複雑になってきます。そのため,そのような場合には,労働審判になじまないと判断される可能性があるということです。
もっとも,労働審判は話し合いを基調とする手続ですので,上記のような場合であっても,使用者との間で話し合いによる解決が見込まれるような事情がある場合には,労働審判を利用する価値があるといえるでしょう。
未払い賃金・残業代ネット相談室 → 労働審判の対象
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証拠保全手続とは?
証拠の重要性
未払い残業代等を請求する場合,最終的には裁判も考えておく必要があるので,やはりあらかじめ証拠をそろえておいた方がよいことは言うまでもありません。もちろん,証拠があった方が,裁判だけでなく,交渉も有利に進めることができます。
もっとも,本当はタイムカードなどの証拠があるはずなのに,使用者側が開示してくれないという場合も少なくありません。そのような場合に備えて用意されている裁判手続があります。それが証拠保全手続という手続です。
証拠保全手続とは
証拠保全手続とは,証拠があると思われる場所に裁判官・裁判所書記官が赴いて,直接証拠を確保してくるという手続です。
裁判官と裁判所書記官が直接現場に赴いて,証拠を持っている人に対しその提出を求めるという手続ですから,当然,使用者側に与えるインパクトは大きいものがあります。そのため,かなり強力な手続であるといえます。医療過誤事件などではよく用いられる裁判手続です。
もっとも,証拠が全然無い場所に行ったり,裁判外で要求すれば開示してくれるような場合に証拠保全手続をすることは無駄になるばかりか,その相手方に迷惑となるおそれがあります。そこで,証拠保全が認められるのは,証拠をあらかじめ確保しておく必要性がある場合に限られます。また,証拠保全をする場所に,目的としている証拠が存在する蓋然性があることも必要です。
具体的には,任意で未払い残業代等を請求したり証拠の開示を要求したりしたが拒否されたなどの経過から,証拠を改ざんされたり隠匿されたりする危険性があることや,実際にその場所に目的とする証拠があることを示す事実などを主張する必要があります。
→ 未払い賃金・残業代ネット相談室の証拠保全手続とは?もご覧ください。
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証拠を持っていない場合の対処法とは?
証拠がない場合
未払い賃金・残業代・賞与・退職金などを請求する場合,最終的には裁判で請求するということを考えておく必要があります。しかし,裁判では,証拠が必要です。
ところが,未払い残業代等請求でもっとも問題となるのは,この証拠が手元に無いという場合です。労働基準法は労働者保護の法律ですから,法律的な主張の面でいうと,労働者に有利な解釈がなされることが多いでしょう。しかし,証拠がなければ,例え法律的な主張では有利に解釈されるとしても,裁判では敗訴ということになってしまうことになります。
したがって,未払い賃金・残業代などを請求する場合には,出来る限り証拠を集めておく必要があるということになります。
しかし,実際には,そう簡単にいかないというのが実情です。使用者側が証拠を開示してくれないという場合も少なくありません。そこで,証拠が手元に無い場合どうすればよいのか?ということが,裁判をするにあたっては決定的に重要な問題となってきます。
特に,労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカードなどは,未払い賃金・残業代請求の裁判で勝訴するために,非常に重要な証拠と言ってよいでしょう。
使用者が証拠を開示してくれない場合
未払い残業代等を請求する際,一緒に上記の労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカードなどの関連書類も開示するよう請求するのが一般的です。
これらの書類は個人情報ですから,原則論を言えば,当然使用者側はこれらの書類を提出しなければならないはずです。しかし,実際には,上記のような書類がちゃんと作成されて存在するはずなのに,使用者側が開示してくれないという場合があります。というよりも,少なくないでしょう。
弁護士が代理人となって労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカード等の開示を請求すると開示してくれる,と言う場合はもちろんあります。しかし,いろいろ言い訳を考えて,断固として開示しないという使用者もいることは確かです。
そのような証拠が開示されない場合に備え,裁判手続においては,証拠保全という手続が用意されています。裁判所が主体となって,未開示の証拠を取ってきてもらえるという手続です。
もちろん裁判所が介入する手続ですから,利用するための条件は厳格です。しかし,使用者側の証拠が保管されている場所に,裁判官が自ら赴いて開示を請求してくれるという手続ですから,強力な手続であることは間違いありません。
経験上,この証拠保全手続をとって相手方が証拠を開示しなかったということはありませんでした(ただし,この手続によっても,証拠を開示しない相手方は,数は少ないですが,残念ながらいるようです。)。
使用者側が前記の労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカードなどを開示してくれない場合,この証拠保全手続を利用するかどうかは検討に値するでしょう。
そもそも証拠となる書類が作成されていない場合
前記のとおり,手元にはないけれども使用者側はその証拠書類等を持っているという場合には,使用者側が証拠を開示してくれない場合には,証拠保全手続をとることによって解決する場合があります。
しかし,それ以上に問題となるのは,そもそも労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカードなどの書類が作成されていないという場合です。この場合には,そもそも証拠資料が無いのですから,証拠保全手続をとることができません。
したがって,労働・雇用契約書,就業規則,給与・賞与明細,タイムカードなどに代わる証拠があるかどうかを考えなければなりません。
所定労働時間,休日などの労働条件などについては,契約書類や就業規則などが無いと立証は難しいですが,例えば,同僚の方の証言やメールや書面のやり取りなどによって立証することになります。
賃金の金額については給与明細等で証明するのが通常です。給与明細等が発行されないという会社はあまりないと思いますが,まったくないというわけではありません。その場合には,給与・賞与などが振り込まれた銀行口座の履歴や領収書などによって,金額や支払日などを立証することになるでしょう。
もっとも困難なのが,労働時間の立証です。タイムカードがあれば決定的ですが,これが無いという場合には,その立証は圧倒的に難しくなります。
例えば,業務報告書・日報などや,残業時間中に作成したメールやFAXの送信履歴,パソコンの立ち上げ時間と終了時間のデータ,防犯カメラの映像,管理人の方の証言や入退出の記録, 証言などによって,立証するほかありません。
ご自分の日記なども場合によっては証拠となる場合があります。ただし,さすがに,日記などだけでは証拠として弱いといわざるを得ません。その日記の内容(信用性)を補完する別の証拠が必要となってきます。日記等を裏付ける資料の収集が必要となってくるわけです。
これらの予備的・補助的な証拠の収集のためにも,もちろん証拠保全手続を利用することは可能です。
→ 証拠が無い場合にはどうすればよいのか?もご覧ください。
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2012年1月16日 |
カテゴリー:休日手当請求の証拠 労働審判 労働訴訟 労働調停 残業代等請求に付随する裁判手続 残業代等請求の裁判 残業代請求の証拠 深夜手当請求の証拠 給与請求の証拠 裁判手続による請求
労働訴訟の手続の流れ
労働訴訟の手続の流れは,概ね以下のとおりです。
STEP1 労働訴訟の訴状の作成
労働訴訟の手続は,まず訴えを提起をすることによって始まります。訴えの提起は,「訴状」という書面を提出する方法によって行います。
したがって,労働訴訟手続の第一歩は,この訴状の作成ということになります。訴状は,裁判所の分1通(正本),相手方1人につき1通を作成する必要があります。証拠は,裁判所に正本1通,相手方1人につき写しを1通用意します。
STEP2 訴えの提起
訴状が完成したら,これを裁判所に提出することによって訴えを提起します。訴状には,証拠も一緒に添付します。また,収入印紙や郵券も必要となります。収入印紙は請求金額によって,郵券は申立てをする裁判所によって金額が異なります。
訴えの提起をする裁判所は,請求金額(利息や遅延損害金・付加金は除きます。)が140万を超える場合には地方裁判所に,140万円以下の場合は簡易裁判所に提起することになります。場所は,原則として,使用者側の所在地を管轄する裁判所になります。
STEP3 第1回期日の指定・呼出し
訴状が受理されると,第1回の期日が指定されます。相手方(被告)に対しては,裁判所から通知がなされ,第1回期日へ出頭するように呼出しがなされます。第1回期日は,だいたい申立てから1月後程度に指定されるのが通常です。
STEP4 答弁書の提出
第1回期日までに被告は訴状に対する認否や反論を記載した「答弁書」を提出します。第1回期日の1週間前までに提出するのが通常です。
STEP5 第1回口頭弁論期日
指定された期日に,裁判所において第1回口頭弁論期日が行われます。
原告から提出された訴状と被告から提出された答弁書が陳述されます。第1回に限り,被告は出頭せずに,答弁書を提出することによって出席扱いとする擬制陳述という方法をとることができます。
STEP6 第2回以降
第2回以降は,相互に主張と証拠による立証をしていくことになります。主張は,「準備書面」という書面を提出して行います。
争点が複雑な場合には,法廷で行う口頭弁論期日だけでなく,別室で話し合いを行いながら争点を整理していく弁論準備期日が行われることもあります。和解のめどがあれば,その都度,和解の試みがなされることもあります。
STEP7 当事者・証人の尋問
主張や書証(書面の証拠)による立証が尽くされ,なお争点の立証が尽くし切れていない場合には,原告被告ら当事者や証人の「尋問」が行われます。尋問は,当事者が相互に質問をする方法で行われます。裁判官から質問がなされる場合もあります。
STEP8 弁論の終結
証人尋問まで行われ,和解の見込みがない場合には,弁論は終結します。最後に,当事者から,それまでの主張や証人尋問の結果も含めた立証をまとめた「最終準備書面」を提出する場合もあります。
STEP9 判決(第一審)
弁論の終結後,裁判所は,当事者の主張・立証に基づいて,「判決」という終局的な判断をくだします。
STEP10 不服申立て
第一審の判決に不服がある場合,不服のある当事者は不服申立てをすることができます。第一審の判決に対する不服申立てを控訴といいます。
控訴されると,第一審が簡易裁判所の場合には地方裁判所が控訴裁判所(第二審)となり,第一審が地方裁判所の場合には高等裁判所が控訴裁判所となります。
また,控訴審の判決に不服がある場合にも,上告という不服申立てをすることができます。控訴審が高等裁判所の場合には,上告審は最高裁判所において行われます。
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労働訴訟とは?
労働訴訟とは?
裁判所を利用して未払い賃金・残業代などを請求する方法の1つに「労働訴訟」があります。
もっとも,労働訴訟といいましたが,労働訴訟という特別の訴訟制度があるわけではありません。あくまで,通常の訴訟と同じであり,ただ労働問題の訴訟というほどの意味です。
東京地方裁判所などの大規模庁では,労働訴訟を専門的に扱う部署が設けられています。「労働部」とか「労働専門部」などと呼ばれています。東京地裁では,民事第11部,民事第19部,民事第36部が労働専門部となっています。
訴訟の仕組み
ここで簡単に訴訟という制度について説明します。
訴訟とは,誤解を恐れずにごく簡単に言うと,まず,両当事者がそれぞれ,ある事実があったかどうかを主張します。その事実があるかどうかについて当事者間に争いがある場合,その事実を主張している当事者は証拠を提出して,その事実がある(又は無い)ことを立証します。
そのような当事者による主張・立証をもとに,裁判所がその事実があるかどうかを判断し,その判断をもとに事実を法律に当てはめて判決という終局的な判断を下す,というのが,訴訟の手続です。
例えば,未払い残業代請求の労働訴訟の場合ですと,労働者側が,何時間残業したという事実を主張し,争いがあればタイムカードなどの証拠を提出して主張した残業時間働いたことを立証します。その主張と証拠をもとに,裁判所がその時間残業していたかどうかを判断し,残業代を支払わせるべきかどうかという判決を下します。
判決は確定すると,強制力を持つことになります。要するに,その確定判決があれば,例え相手方が任意に支払わなかったとしても,いつでも相手方の財産に対して強制執行をすることができるようになります。債務名義と呼ばれます。
調停や労働審判で決着がつかなかった場合,最終的には,この労働訴訟によって白黒をつけることになります。ただし,必ずしも最初に調停や審判をしなければいけないということではありませんので,場合によっては,最初から訴訟にしてしまった方がよいという場合も少なくないでしょう。
訴訟は3段階あります。つまり,3ラウンド戦う機会が与えられているわけです。一般的な場合ですと,地方裁判所での第一審,高等裁判所での控訴審,そして,最高裁判所での上告審という流れになるでしょう。3回審理が行われるという意味で,三審制と呼ばれています。
なお,訴訟においても話し合いが行われる場合があります。和解期日と呼ばれ,判決ではなく和解によって紛争を解決することができないかを話し合うというものです。
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